医学部受験について

慶應義塾大学医学部1年生のものです!

みなさんは医学部受験にどういった印象をお持ちですか?

「東大と同じくらい難しい」とか「センター試験(共通テスト)で9割取れなければ国公立は難しい」とか…

学校や予備校でそういった話を聞いたことがあるかもしれません。
しかしそのように言う人たちは医学部受験経験者でしょうか?
国公立医学部(東京医科歯科大学)、私立医学部のどちらにも合格をいただいた私が思うに、そういった認識には語弊があります。
実際には、医学部受験においても基礎的な内容は多く出題されており、才能よりも努力が大切となっております。
そこで、誤った認識で受験生が不安になることを減らしたいと思い、医学部受験の実態を話したいと思います。

国公立大学では一次試験(共通テスト)と二次試験(大学別入試)の合計点で合否が決まります。
まずは、国公立医学部の受験において高得点が期待される一次試験について話します。
他学部と違い医学部では、合格点に対する一次試験の得点の割合が高い傾向にあります。
例えば、旧帝大の理学部、工学部の一次試験の割合が3割程度であるのに対して、医学部では平均すると5割程度となっております。
もちろん東京大学理科Ⅲ類や大阪大学医学部のように一次試験の比重がかなり低い学校もありますが、全体的には一次試験が重要になっています。
一般的に、医学部合格の為に必要だと言われるのが、一次試験で90%以上の得点を取ることです。医学部受験を見据えるなら、まずはこの得点を目標にしましょう。
しかし、実際には80%程度で合格している人も存在します。
試験本番で奮わなかったり、どうしても一次試験に苦手意識を持っていたりする人でも合格は可能なのです。
ここで大切なことは、大学選びと二次試験対策です。
一次試験の得点次第では受ける大学の変更もあり得るという想定と、受ける可能性のある学校全ての過去問対策が予め必要になると言うことです。
一次試験では高い得点が望まれるけれど、少し上手くいかなかった場合でも対策次第で合格を勝ち取ることは可能だと言うことをここで抑えて下さい。次に、二次試験について話します。
二次試験は学校ごとに様相が全く異なっており、一次試験とはまた違う対策が必要になります。よって、一次試験ができるから二次試験の対策は少しで良いとは言えず、逆に一次試験が苦手だから二次試験は絶対にできないなどと言うこともできないのです。
実際に私の周りには、かなり学力が高いにもかかわらず一次試験はあまり得意ではない人も何人かいました。
やはり、重要なことは自分に合った大学を見つけるということに尽きます。
しかし、勉強をしつつ、それを自力で行うのは大変です。そのために我々のような家庭教師を利用していただければ良いと思います!

ここからは面接と小論文について話していきます。
結論から言うと、面接が合否に大きく影響するのは地方国公立医学部において"のみ"と考えて良いと思います。
現在、地方では医者不足が深刻な状況であり、卒後に地元で働いてくれる医師の育成が急務となっています。
このような状況下では、首都圏から地方の医学部に受験する人は医学部で6年を過ごした後に地元に戻りたいと思う可能性が大きく、敬遠されがちです。
それを見極めるため、地方国公立医学部の面接は重要となる場合があります。
しかし、絶対に地元が有利で首都圏は不利かというとそんなことはなく、きちんと対策を行えば、むしろ得点源となる場合もあります。
よって、対策方法を知っている受験生同士では差がつきにくくなります。
この対策は学力を伸ばすよりも労力が少なくてすむため、結局のところ、二次試験で高得点を取る学力が最も重要になります。
また、地方とは反対に、首都圏や大都市圏での国公立医学部では形式上面接を行なっているところがあります。
人間性に問題のある人をはじくために行なっていると考えてよいです。これらの学校において、面接やこの後述べる小論文は、二次試験までの点数が同じだった際に比較するための一資料に過ぎません。医学部受験においては結局、面接対策よりも学力をつける方が重要だということです!
小論文についても大体同じことが言えます。
そもそも、国公立大学(前期)に小論文を出すところはあまりありません。
さらに、得点が与えられているところというとかなり数は限られるので今回は割愛させていただきます。
一言だけ言うと、中身自体が凝ったものでなくても、定められた字数で整合性の取れた文章が書ければよいと思います。

最後に、私立医学部の受験について話します。
私立医学部では国公立でいう二次試験にあたる個別試験だけで合否が決まります。なので教科数的には国公立よりも負担は小さくなります。
しかし私立医学部には単科医科大学が多いため、問題に癖のある大学が多い印象があります。
例えば、物理、化学の問題は医療の内容と絡めて出題したり、英語の長文は医療系論文が出典となっていたりと国公立医学部ではあまり見られない出題がよくされ、難度が高く感じられます。
しかし、実際は適切な解き方を身につけることによって合格することが可能になります。面接、小論文はほとんどの大学で課されますが、私立医学部でもあまり重要ではないと考えてよいです。
なぜなら、国公立医学部と同様に、私立医学部でも結局学力が重視される傾向が強いからです。
また、面接、小論文の配点があるのかないのかを公表していない大学も多く、真相はブラックボックスに包まれていてそもそも対策の仕様がないことも理由の一つになります。
ここで、多くの人が気になっているであろう面接時の差別に関して言及しておきます。
私立医学部受験での差別問題がここ数年頻繁に物議を醸しています。
その結果問題が明るみに出た大学もあるため、こういった差別は減ってきていると考えて間違い無いでしょう。
そうは言っても、筆記試験で現役生と浪人生が同点なら現役生が合格するというような差別があるのは仕方のないことです。
いずれにせよ、筆記試験で高い点数を取るための学力が重要であり、それを身につけることが最も効率的なのは言うまでありません。
それから、上位の私立医学部と下位の私立医学部とで受験層が変わってくることに触れておきます。
上位のところでは国公立と併願している受験生が多いです。国公立が第一志望という人もいれば、私の通っている慶應医学部や慈恵会志望の受験生はそちらを第一志望にする人もいます。
下位の私立医学部志望の受験生には私立医学部だけを複数受験する人が多いです。
このような受け方をする人には少し注意が必要です。
1人で10校近くの医学部を受験する人もいるため、私立医学部の倍率はとても高くなります。
こういった事情が裏に隠れているため、医学部の倍率をそのまま鵜呑みにして難易度と結びつけてしまっては医学部受験の実態が見えてきません。
再三になりますが、医学部受験においては学力が最重要項目であり、その学力があればこういった医学部に合格することは本来可能なはずです。
しかし、非常に沢山の大学を受ける人の中には、数打てば当たると考えてしまう人がいることもあります。
私立医学部は複数出願できるとはいえ、学力がなければどこにも合格できません。医学部専門予備校には多くの学校を受けるように言って合格実績を伸ばそうと考えるところもあると思いますが、それが現実なのです。

以上のことから、医学部合格には高い学力を身につけることが最適解であると分かってもらえたことでしょう。
そのレベルの学力を手に入れるためにも、医学部受験を実際に経験し、それを基にした知識を持つ講師のもとで勉強を進めることが肝要だと考えています。
医学部合格のための熱意があり、この考えに賛同してくれる方の味方でありたいと私たちは思っています。

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